マスコミ, 時事ネタ, 記者

どんな戦争も嫌じゃ!

 

12月3日に放送された『M-1グランプリ』に初出場し、

トップバッターだった『ゆにばーす』の川瀬の台詞です。

 

 

テレビでここまで大声で、

戦争反対を唱えた人を久しぶりに見ました。

 

 

 

ネタも初めて拝見したのですが、

もちろん、大いに笑わせてもらったし、

単なる出落ちだと思っていた、

相方“はら”が、すごーくできる芸人さんなことに驚きました。

何よりも、美声!

久々に現れたお笑い界正統派の美声。

(ちなみにブルゾンちえみの声、あれはただの美声です)

それよりも何よりも、

一番インパクトだったのが、

冒頭の台詞です。

 

どんな戦争も嫌じゃ!

 

 

戦争したい人はいない。

はずなのに、

どうして人は、この台詞を堂々とはっきり言えないのだろう?

 

 

特に、日本政府。

 

ここで、急に政治に関わる発言をして、こいつどうしたんだ?

と、思われるかもしれませんが、

わたしはこのニュースに激しく怒りを感じているのです。

 

 

 

 

「トランプ大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と宣言」

このニュース。

 

少なからず、すごいショックを受けました。

 

なぜなら、

戦争が起こってしまう確率が格段に上がったから

 

本当に起こってしまったら、今度という今度は、本当にガザ地区のパレスチナ人の人たちは生きていけなくなるかもしれません。

そんなことが容易に想像できるからです。

 

 

エルサレムには、私たち夫婦の友人家族が住んでいます。

夫婦に子供が男の子4人。

彼らはユダヤ人です。

奥さん同士がイタリア留学先で同部屋になったのがきっかけでした。

 

その関係で、奥さんは過去に3度。わたしは過去に2度。彼らを訪ねてエルサレムに行きました。

最後に行ったのは、2000年。

彼らの結婚式でした。

エルサレムから彼らの運転する車に乗って、地中海に面するガザ地区からほんのわずかのところにある白い砂浜が美しい海岸に行き、

そこに彼らの地元から何十台ものバスやトラックがやってきて、その町中の人たちが参加するのです。

「なぜ、わざわざガザ地区の近くででやるの?」

そう聞くと、

「だってここが一番美しい場所だから」

そう言いつつも、

パレスチナの人たちに対する当てつけ?

そんな疑問もなくはありませんでした。

でも、そこまで突っ込んで聞く勇気はありません。

 

トラックからたくさんの荷物や機材をおろし、式場作りから始まりました。

まずは大きな臨時レストランをその場で作り、テントをいくつも張り、屋外ディスコのような会場も作ります。

一体、どれだけのお金がかかっているの?

想像もつきません。

ちなみにイスラエルに住むユダヤ人の方達は、基本的にはお金持ちです。

ユダヤ人は皆大金持ち。パレスチナ人は皆貧しい。

この差は圧倒的です。

 

 

日暮れ直前に結婚式が始まるのですが、

皆、Tシャツに短パンのまま。

結婚式自体は30分もかからず、あとは飲めや歌えや踊れのどんちゃん騒ぎです。

それは翌朝、日の出まで続きました。

私たちはエルサレム中心街の広場に面したホテルに戻り、急いでチェックアウトをして、そのまま車で待つ彼らの運転でテルアビブ空港へ行きました。

そのちょうど一週間後、

私たちの泊まったホテルの目の前の広場で爆弾テロが起き、

100人近くのユダヤ人が亡くなりました。

その日は、ユダヤ教のラマダーン明けで、多くのユダヤ教徒が広場に集まっていたのです。

心配になって彼らにメールを送ると、私たちの停まっていたホテルも半壊し、それこそ、私たちの部屋のガラスは全て吹き飛んだそうです。

当時、旦那さんはエルサレム新聞のカメラマンをしていたので、部屋の中まで入ったそうなのです。

「運がいいね」

と、サラッと言われました。

「わたしたちが彼らを許せない理由がわかった?」

 

その前の年、初めてエルサレムを訪れました。

彼らは自分たちの住まいを私たちの滞在のために提供してくれました。

私たちはここに10日間、滞在しました。

初日、彼らの所有するエアコンの効かないボロボロのBMWで市内を案内してくれました。

最初に案内してくれたのが、スコーパス山でした。

ここは、有史以来、エルサレム占領のための戦いの拠点とされた場所で、今ではイスラエルの東大と言われるヘブライ大学のキャンパスが広がる地域で、ここからエルサレムが一望できるのです。

わたしはカメラを取り出し、景色を撮り始めました。

その時、少し離れたところで遊んでいた5歳くらいの男の子数人がやってきて、

写真を撮ってくれと言います。

オーケー

わたしはそう言って彼らを撮ろうとした時でした。

彼女が、激しく男の子に何かを言い、手で虫を払うようにシッシッと、あっちに行けというジェスチャーをしたのです。

「Why?」

わたしが尋ねると、彼女は、

「あんな連中を撮る必要はない。撮る価値がないんだから」

と、言いました。

「子供じゃん!」

「でも、わたしといるときは撮らないで!お願いだから私のいう通りにして」

強く否定され、わたしは何も言えませんでした。

その翌日は、ユダヤ教の安息日でした。

また彼らの運転してくれるBMWで出かけましたが、二人とも深いため息をつきました。

「どうしたの?」

「ガソリンを入れなくちゃいけない。だけど、今日は安息日だからイスラム教徒が経営するスタンドしか開いてない。だからボラれる」

しかし、実際はボラれることはありませんでしたが、スタンドのご主人は露骨に嫌な顔をし、言葉を一切発しません。彼らもずっと緊張したままでした。

お昼ご飯もイスラム教徒の経営するお店でした。

店主がわたしたちを見て聞いてきました。

「ジャパニーズ?」

「イエス」

「アイライクオカモトコウゾウ」

「テルアビブエアポート?」

「イエスイエス。ヒーイズアワヒーロー」

そう言って拳を振り上げました。

岡本公三は、連合赤軍の元メンバーで1972年テルアビブ空港で乱射事件を起こし、ユダヤ人の民間人26人を殺害しました。

「だから日本人は大好きなんだ」

店主はそう言いながら、友人夫婦に笑いかけました。

彼らは呆れたように苦笑いするだけでした。

この店主、またこの話をしているよ、と、言う風に。

その後も、

彼らはそのご主人とは握手をし、楽しそうに談笑しています。

「料理ははっきり言って、彼らの作る料理の方が美味しいからね」

そう言って笑います。

「普段から仲の良いイスラム教徒もいるの?」

そう尋ねると、

「今は政情が安定してるからね。だから彼らと仲良くしても悪くいう人はそれほどいない」

そう言います。

もちろん、彼らはユダヤ教徒ですが、黒づくめの衣装を身にまとう『超正統派』と呼ばれるゴリゴリのユダヤ教徒ではありません。

普通の格好で、基本的なユダヤ教の戒律を守っている人々。つまり、普通のユダヤ教徒たち。

イスラエル人の大半はこう言った人々です。

では、友人は超正統派のユダヤ教徒をどう思っているか?

「給料もらえるからね。あれはあれで仕事だよ」

そう言います。

だから、彼ら普通のイスラエル人は酒も飲むし、イスラム教徒の友達もいる。

でも、スコーパス山では子供の写真を撮るなと言う。

 

全てがわたしの理解を超えています。

 

昼食を終え、少しドライブをしようと言うことになりました。

彼女が、彼に、

「ちゃんとある?」

と、聞きます。

「あるよ。ダッシュボードの中」

彼がそう言うと、彼女は安心した表情を見せたのです。

「ダッシュボードの中に何があるの?」

そう尋ねると、彼が開いて見せてくれたのは、

真っ黒いピストル

でした。

「え〜!!?」

「道端にヒッチハイクがたくさんいるでしょう?あの中にテロリストが必ずいて、車を止めた途端にパーンって頭を撃ち抜かれちゃう。だから絶対に車を止めたらダメなの」

「そんなにたくさんいるの?」

「いるよ。そこら中に」

そして、わたしたちが帰国した一週間後、毎日買い物に出かけていた市場で爆弾テロが起きました。100人以上が犠牲になったものすごい大きなテロでした。

ちなみに、滞在中、旧市街に出かけた時も、いくつかある門の前で車が爆発し、その車を中心に左右に分かれた人々が投石しあっていました。

そのすぐ近くを人々は何事も起きていないような顔をして通り過ぎていました。

1999年と2000年に2度訪ねて、その前後で2回ともすぐそばで大きな爆弾テロが起きて200名以上の人が亡くなりました。

車の炎上や投石はそこら中で起きていました。

外出時にはピストルは欠かせません。

 

それでも、あの頃のエルサレムは平和だったのです。

 

誰もが一触触発のギリギリの感情の中で、

できれば戦争はしたくない。

本音を言えば、共存なんかしたくないけれど、

一つの宗教がエルサレムを治めるのは不可能だ。

だから、仕方ないけど共存の道を歩んできた。

小競り合いは仕方ない。

でも、エルサレムで絶対に戦争を起こしてはならない。

 

長い間ずっとそうやって彼らは生きてきたのです。

 

なぜなら、

 

どんな戦争も嫌じゃ!

 

そう願っているから。

 

 

でも、トランプのやっていることは、

宣戦布告と全く同じです。

 

よし、エルサレムを取りにいくぞ!

エルサレムはユダヤ教徒だけのものだ。

イスラム教徒は出てけ!

そう宣言したのです。

日本政府は、果たしてノーと言えるのか?

 

トランプは戦争を起こしたくないリーダーなのでしょうか?

 

もし、そうじゃなかったら・・・。

 

物事ははっきり答えを出せるものばかりではありません。

 

もやもやと気持ち悪くてもそのまま進むべき道もある。

そう思うのです。

 

でも、トランプの手によって賽は投げられてしまいました。

 

我々が今、しっかり自覚しなくてはならないことは、

 

対岸の火事なんてものは、もうないのです。

 

燃えるときは、一挙に地球全体が火の海になってしまうのです。

 

それが嫌だったら、叫びうましょうよ!

どんな戦争も嫌じゃ!