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上司の体質?会社の体質?

 

パワハラ上司への対処法。

最初のエピソードの最終章です。

さて、前回の続きですが、

担当編集は、どうして自分のミスを副編集長に黙っていたのでしょうか?

 

いくつか理由があります。

1、週刊誌の場合、毎週毎週締め切りに追われています。担当編集が担当している記事は週に3〜5本に及ぶこともあります。それらの記事が垂れ流しとは言いませんが、仮にミスして記事にできなかったとしても、終わったことは終わったこと。過ぎたことをいちいち反省していても仕方がない。だから、副編集長に自分のミスを伝えなかった。

2、自分のミスだと気づいたが、記者カメラに指摘されなければ、このまま記者、カメラマンに押し付けようと思った。

3、失敗した時の副編集長の激烈怒りっぷりが尋常じゃないので、ビビって言えなかった。

4、今回は自分のミスだったが、正直、誰の失敗でも自分は気にならない。正直、どうでもいい。

5、会社の体質、上司の体質に習っただけ。

この5つの思いが重なって、彼は、嘘をつくという行動に出たのだと思います。

その中でも一番大きいのが、3です。

 

普段から部下の失敗には非常に厳しく、呼び出すときは必ず大きな声で、相手の顔を見ずに手招きして自分のデスクまで来させ、衆人環視の中で長々と説教を始める。

これが待っていると思うと、

部下は萎縮してしまい、謝罪ではなくて逃亡することを優先します。

 

そして、次が5のケース。

 

会社の体質かどうかは置いといて、

そもそもこの上司が、こんなとき、さっさと逃亡する人間で、部下も右に倣えだっただけというパターンです。

 

 

一度逃げたらクセになる

 

 

副編集長が一週間の休み明けの初日の夕方、わたしは会社に上がりました。

 

編集部に入ると、副編集長の姿が見えません。

 

外出しているようでした。

わたしはすぐに取材に出たので、彼に会うことはありませんでした。

翌日も、彼は外出していて不在。

 

結局、彼の姿を見たのは、そこからさらに3日後のことでした。

 

彼はとても忙しそうでした。

 

もともと、編集部内での彼の机とわたしの仕事場所は離れているので、こちらに気づかなくても不自然ではありませんが、座っていてもお互いの姿は見えてしまうので、意識しないようにと思っていても、わたしはどうしても意識してしまいます。

定期的にチラチラと彼の方を見てしまうのです。

 

でも、目が会うことはありません。

 

意識的に無視をしているのかもしれません。おそらくそうでしょう。

 

全く落ち度のない我々を全員の目の前で机を蹴り上げて、怒声で吊るし上げたのです。

それが冤罪とわかって、初めての接近なのです。意識しないほうがおかしい。

 

結局、謝罪のないまま、1日が過ぎ、2日が過ぎ、一週間が過ぎました。

彼に謝罪の気持ちが全くないということがわかりました。

 

そして、同時にわたしに直接仕事の依頼をすることもなくなりました。

 

彼がわたしに近づいてくることもなくなりました。

 

一度逃げれば、クセになります。

だって、楽ですから。

 

一度、怒鳴ればクセになります。

だって、快感ですから。

 

なんだってそうです。

 

責任逃れを一度でもしてしまうと、クセになるのです。

だって、楽ですから。

 

 

 

端から見ればとても奇妙な感じに映ったかもしれません。

 

事の顛末を詳しく知っている人はこの件に直接関係する限られた人だけです。

皆の前で激しく叱責はしましたが、日常茶飯事なので、過ぎてしまえば誰も気にしません。

つまり、ほとんどの人は何も知らないのです。

 

それまで、よく口を聞いていた彼とわたしが全く接触をしなくなった。

周りにはわたしが彼から干されているように見えたことでしょう。

 

曖昧は美徳じゃない

 

「風さん。一体、何をやっちゃったんですか?副編集長と何かあったんですか?」

「いや、何もないよ。なんで?」

「さいきん、全然口聞かないじゃないですか?」

「そう?」

 

事の顛末を知っている人からも聞かれました。

「まだ、謝罪ないの?」

「ありませんよ」

「何も言って来ないの?」

「言ってきませんよ」

「喋ってないでしょう?」

「喋ってませんよ。僕から話す理由ないし」

「どうするの?」

「どうするもこうするも、二人の会話を止めたのは彼ですから。僕はなんどもアクションしましたから。僕は彼からのアクションを待ってるだけなんで」

「話しかけてあげたら?」

「なんでそうなるんですか?」

「だって、それはそれで小さくありませんか?」

「わたしが?ですか?」

「お互い様だと思うな〜」

「それって、誰のためのための言葉ですか?わたしのためですか?彼のためですか?それとも自分のためですか?」

「二人がいつまでもそんな状態だと、こっちもやりにくいんだよね」

「ああ、自分のためですね」

「違うよ。編集部のためだよ」

「そういう口実ね」

「なんでもっと丸くなれないかな〜。過ぎたことじゃん。ほんと迷惑なんだよ」

 

この感じの会話、とてもありがちだと思いませんか?

 

こうやってセカンドレイプは起こるのですよ。

 

適当にやり過ごすのが一番いい。

みたいな。

それが美徳みたいなことを言い出す同僚。

 

曖昧は美徳じゃありません。

 

わたしは、事を荒立てるつもりはありませんが、

自分が納得できない限りは、曖昧に終わらせることは決してしません。

 

それをやり出すと、仕事でも同じような事をしてしまうからです。

 

陰口は必ず本人に伝わる!

 

「仕事なくなるよ」

「媚びへつらってまで、あんな人間から仕事もらいたいと思いません。責任の取り方を知らない人間とは仕事したくありませんよ。あ、これ、本人に伝えてもらってもいいですよ。どうせ、回り回って本人に伝わるだろうし

 

わたしは決して陰口を叩きません。

 

言ったことは必ず本人に伝わるからです。

人の言葉に戸は絶対に立てられないのです。

これは、わたしの人生経験から学んだことです。

だから、間違いない!と思います。

 

それから、彼とは一切接触のないまま、半年余りが過ぎました。

 

わたしの中では、それは遠い過去の記憶となり、彼とは同じ編集部にいながらも、お互い全く接点のない関係となっていました。

その事自体は、全然不自然なことではありません。

 

そのときは、唐突に訪れました。

 

編集部の立食パーティーがホテルで開かれ、お酒を飲んで気持ちよくなっている時に、唐突にわたしの前に現れました。

後ろからいきなりわたしの肩を抱き寄せ、

「風さ〜。もういい加減に勘弁してくれよ〜」

ばつが悪そうというよりは、何か照れているような、そんな笑い顔をわたしに向けて彼は言いました。

「え?なんのことですか?」

「俺が悪かったよ〜。だから、いい加減に許してくれよ〜」

「許す?僕が何を許すんですか?」

「そんな冷たいこと言うなよ。俺が悪かったって〜」

「いや?本当になんのことかわからないんですけど。何を僕に謝りたいんですか?何をしたから謝るんですか?最初から教えていただけますか?副編集長の言葉で最初から言っていただけますか?」

「そんなにいじめるなよ〜。いや〜、本当にごめん。悪かったな」

そう言って、わたしの肩を2度3度ポンポンと叩いて、彼はご機嫌な感じで遠ざかっていきました。

パーティー会場では誰も他人の会話を聞いていません。

彼は時と場所を測っていたのでしょう。

他人に聞かれない場所。

それでいて、

雰囲気が悪くならない、

緊張を強いられない、

自分に不利になり過ぎない場所。

 

そこまで計画的にやるなら、

もっとちゃんと、信頼を回復できるような謝罪の仕方があったあろうに・・・・。

 

今、彼とは会社内で会うこともほとんどありません。

 

2〜3ヶ月に一度、すれ違う程度。

 

その時にはお互いに挨拶するし、軽い世間話もします。

 

でも、一緒に仕事をしたいとは思いません。

 

彼もそう思っているでしょう。

 

事を荒立てるつもりはないけれど、

理不尽なことには、決して怯んではいけない。

 

これが、わたしが学んだ教訓です。

 

以上です。

 

次回、パワハラ上司の体験談第2弾です。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。