コーチング, コミュニケーション, チキンな上司が読むところ, パワハラ, フリーライターの世界, マスコミ, メンタルダウン, 処世術, 思考術

「今度、移動してくる上司。彼は相当やばいですよ。僕も昔、部下だった頃、メンタルやられましたから。彼が席の左に座っていたので、ある時から急に首が左に回らなくなって、そこから心療内科ですよ。風さん、本当に気をつけてください。フリーの記者さんも随分、彼にはやられています。取材に無理難題ふっかけてきますから。本当に彼は最悪のパワハラ上司です」

 

そんな情報を事前に知らされてしまうと、誰だって萎縮してしまいます。

わたしだって例外ではありません。

 

誰もが、“パワハラ上司”と、影で怯える人物が異動してきて、

部署内は戦々恐々という雰囲気に包まれました。

 

そんな噂が立っていることを知ってか知らずか、

その人物は、いつも淡々と仕事をしているようにわたしには見えていました。

 

会社に来ると、いつもスーツをしっかりと着こなし、

髪は常にセットされていて、

スポーツ新聞を含めた全ての全国紙に目を通し、

ほとんど雑談をせずに業務に取り組みます。

 

付き合いで飲みに行くこともない。

だから、二日酔いで朝、辛そうな姿を見ることもありません。

表情に乏しく、常にキリッと引き締まった表情をしているので、

笑うこともない。

たまに笑った時には、愛らしい感じさえもしてしまう。

だから、その笑顔を武器に使えば、この人きっとモテるんだろうな〜。

そう思うのですが、仕事人間なので、遊びにも行かない。

 

人とあまり話さないからなのか、彼の声はとても小さくて、

部下との打ち合わせの声もほとんど聞こえません。

当然、声を荒げるようなこともない。

 

それでも、一緒に仕事をした人間は、

「あの人とは二度と仕事をしたくない」

そういう人が少なからずいました。

基本的に、彼が得意とする分野とわたしが得意としている分野が違っていたので、

彼から仕事を振られることはほとんどありませんでしたが、

わたしも、

“君子危うきに近寄らず”

ではありませんが、

彼と会話をする機会もないまま数年が過ぎて行きました。

 

そんなある時、ある編集者と一つのプロジェクトを進めていた時のこと。

突然、担当がその上司に変更になったのです。

担当編集者は、わたしにこう言いました。

「彼の担当はかなりきついので大変だと思いますが、よろしくお願いします」

と。

「みんなきついとか、やばいとか言うけど、何がきついの?」

「求めて来る要求がかなりきついです。もうこれで記事ができるとこっちが思っていても、いやまだ欲しいまだ欲しいって、どうでもいい情報までも求めて来るんです。だから記者さんにはかなり辛い相手だと思います」

「それのどこがパワハラなの?」

「部下が出した答えが自分の描いていた形と違っていたら、急に機嫌が悪くなる。そして、何が何でも自分の描いたストーリーに持って行こうとするんです。これはかなり厄介だと思います」

「でも、その結論が正しくないと思ったら、はっきり言ったほうがいいよね」

「はっきり言ってもダメなんです。だったら俺が担当するからお前は外れろ!って」

「そうなの?それはやばいね」

「はい。だから今回も担当を外されたわけです」

「そういうことか〜。でも、俺は違うと思ったら、はっきり言うよ」

「まあ、彼は激昂する言うことはないですから。でも、ネチネチといろんなことを要求してきますよ」

「わかった。気をつける」

 

忠告はありがたく聞きますが、いち編集者の印象が、その上司の全てではありません。

彼は、その上司と彼との関係性については、

語ることはできますが、

わたしと上司との関係性についてを語ることはできないのです。

だから、その上司とわたしとの関係性はまだ無。

それ以上でもそれ以下でもない。

 

そこをしっかりクリアにして、

ゼロから構築して行くことが、

人間関係は何よりも大切だと思います。

 

では、次回は、その上司とわたしの関係性について書きたいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。