インタビュー, マスコミ, 処世術, 記者

「うちのバカモンが、本当にバカモンが・・・、軽率な行動をとり、お騒がせして申し訳ありません」

太川陽介は会見で、開口一番こう言った。

この会見の中で、太川陽介は、奥さんの藤吉久美子さんのことを何度も、

「バカモン」

と、言っていた。

「妻が」でも「愚妻が」でもなく、

「バカモン」

呆れたような、諦めたような笑みを浮かべながら。

 

そして、“バカモン”に、

「よし、わかった。信じる」

「これから厳しい目で見られるけど、僕がとにかく守るから大丈夫」

「これで(話は)終わり!」

と、話したことを語り、

最後には満面の笑みで、

「ルイルイ!」

と。

なんて素晴らしい!

と、マスコミは絶賛した。

この会見を、

「男気会見」

と、評した。

 

確かに、彼は素晴らしい。

我々、マスコミにとっては。

最高のサービス精神。

だから、マスコミは持ちあげた。

「男を上げた」

だの、

「妻のタレント生命を守った」

だの。

本当に?

 

藤吉にとって、

この会見は、本当にありがたかったのか?

タレント太川陽介としては、

この会見は正解だったかもしれないが、

夫として、

この会見は正解だったのか?

 

わたしには違和感しかなかった。

 

あの時の白鵬のように・・・。

 

妻を守るために・・

 

それは2014年5月場所のこと。

白鵬は29回目の優勝を目指していた。

その時、優勝を争っていたのが稀勢の里だった。

それまで白鵬は一人横綱として絶対的な人気を独占していたが、

久しぶりの日本人力士の優勝を目前に、

相撲ファンの期待は、稀勢の里の初優勝に傾いた。

その瞬間から、白鵬は初のヒールとなった。

 

観客の目であり、場内の雰囲気であり、マスコミの態度全てが、

白鵬に対して好意的でなくなった。

白鵬も少しイラだったような雰囲気を隠さなくなった。

結局、白鵬は稀勢の里にも勝ち、29回目の優勝を決めたが、

翌日朝の恒例の優勝力士インタビューを一方的に拒否したのだ。

理由は一切明かされない。

様々な憶測が飛んだ。

 

稀勢の里に期待の目が注がれたことに腹を立てたのではないか?

稀勢の里に白鵬が勝った瞬間に、場内がため息に包まれたことに対して、

白鵬がそれを外国人力士に対する差別だと受け取ったのではないか?

などなど。

 

そして、10日経って、白鵬がブログを更新した。

https://ameblo.jp/hakuho-69/entry-11871576460.html

 

 

その中で会見を拒否した理由を述べている。

「みなさんへ」

と、題したブログの中で、

白鵬の奥さんが場所中に流産したことが書かれてあり、優勝インタビューの中で奥さんの妊娠のことを聞かれることが辛かった。聞かれたら真実を話さなければならなくなるので会見ができなかったと言う旨のことが書かれていた。

そして、最後に、

奥さんに、

「愛してます。もっともっと幸せにします」

とも。

マスコミはこぞってこのブログを絶賛した。

大多数の相撲ファンは、

さすが白鵬

と、褒めちぎった。

でも、わたしは、ものすごい違和感しか感じなかった。

読んですぐこう思った。

「これ、会見を開かなかった理由を奥さんのせいにしてないか?」

 

これを周りに言うと、

「その考え方はおかしい」

と、皆から言われた。

 

でも、わたしには、

この理由をブログで公表された奥さんが喜んでいるとはとても思えなかったのだ。

なぜなら、

奥さんからしてみたら、流産のことをわざわざ発表して欲しいわけがない。

「奥さんの心をこれ以上傷つけないために」

って。

それを公表することが一番傷つけるんじゃないの?

と。

 

そもそもあの時、ほとんどのファンは奥さんの妊娠自体を知らないし、

そこに興味を抱くファンはほとんどいないと思う。

例えば、

今回の騒動で日馬富士のことをマスコミは色々と書きたてたが、

日馬富士が結婚していて子供が3人いたことなど、誰が知っていただろう。

基本的にファンは、関取の家族のことなど興味ない。

マスコミも同じ。

 

仮に、優勝力士インタビューを開いたとして、

事前に記者に、そのことについては触れないで欲しいと部屋関係者や親方が言っていたら、

誰も触れなかったはずだ。

そもそも、記者が奥さんの流産をわざわざ発表する必要がどこにあるのだ?

 

 

そして、最後に、奥さんに向けて、

「愛してます。もっともっと幸せにします」

と、ブログに書いてるが、

こういうことは奥さんに直接言うべきことであって、

「みなさんへ」

と、いうタイトルの文章に書くことなのか?

「みなさん」

への釈明ブログに、奥さんへの愛の言葉を書くというのは、どういうことだ?

と、疑問に思った。

やっぱり感覚が違うのかな?

と。

 

でも、そうじゃない。

白鵬は、マスコミや世論を利用するのがとても美味い。

頭もむちゃくちゃ切れる。

日本人がどうされると喜ぶかを実によく知っている。

何も考えず勢いに任せてこのブログを書いてしまったというのなら、

奥さんへの愛を書いた気持ちもわからなくないが、

大横綱の公式ブログである。

んなわけない。

 

明らかに意図的なのだ。

 

好感度を挽回するための手段として、

この奥さんの悲しみを利用した?

 

 

世論が逆の反応をすると、焦りからか本音の部分が出てしまう。

それを補おうとして、

後付けの理由をつける。

それは、今回の九州場所でも明らかだった。

自分の立場が危うくなる。

疑惑の目が向けられる。

優勝を心から喜んでないファンもいる。

だから、あの優勝インタビューで場内を巻き込んでの万歳三唱。

すごくあの時と似ていると思った。

 

 

品格云々ということに照らし合わせて考えたら、

ちょっと喋りすぎだよね。

あのまま何も語る必要はなかったのにと思ってしまう。

 

「奥さんを守る」

「家族を守る」

ことを、本気で思っている人間の行動にしては、

少しおかしいな。違和感があるな。

そう思った。

 

白鵬の本音は、

自分の人気を守ろうとしているだけなんじゃないの?

と。

 

 

太川に話を戻せば、

最近は不倫をしても、

絶対に認めなければ、ちゃんちゃんで終わりになる。

そんな妻を「許す」「信じる」と言えば、少なくとも夫は救われる。

そういう構図ができている。

 

それが、太川のあの会見なんだと思うし、

ああやるしかなかったのかもしれないけれど、

わたしには、

とても奥さんを守っているようには見えなかったし、

何よりも、

「バカモン」

と、いう表現が不快で仕方なかった。

 

ま、結局は、

白鵬も太川も、

結局、体裁が一番なんだよね。

 

 

それが悪いとは思わないし、

それが、

「生計を守る」ことになるからね。

 

「妻を守る」

とか、

「家族を守る」

とか、一見、自己犠牲のように聞こえるが、要は、

「生計を守る」

ことが、家族を守ることに繋がるわけで。

 

って、ことになるんだろうから、

それが正解なのかもしれないけれど、

 

じゃあ、そんな彼らに、

男気があるのか?

 

と、言えば、

 

ない!

 

 

男気とは、

黙して語らず

 

そう思うのです。