戸隠神社の白蛇

長野県長野市北西部の戸隠山にある戸隠神社奥社でのお話です。

そもそもなぜこの山が戸隠山と名付けられたのか。

その由来は古事記に書かれてあります。

現在の宮崎県高千穂に天岩戸神社という神社がございます。

こちらの神社は、

天照大御神様の弟である須佐之男命があまりに粗野で乱暴なため嫌気がさした天照大御神様が洞窟に御隠れになった洞窟の扉である天岩戸が祀られた神社です。

しかし、現在ここには天岩戸はなく、遠く長野県のここ、戸隠山にあるのです。

 

天照大御神様が御隠れになったことで光を失った世界になんとか光を取り戻すべく、八百万の神々は一計を案じます。

天宇受賈命が天岩戸の前でふざけた踊りを披露して、それを神々が笑った。

一体何が起こっているのだろうと天照大御神様が外の様子を見ようと戸を少し開けた瞬間、戸の横に隠れていた天手力雄命が、天岩戸をこじ開け、そのまま天岩戸を力任せに投げ飛ばした。

飛ばされた天岩戸は、ここ長野県の山まで飛んできた。

その山を戸隠山と呼ぶようになり、紀元前210年に戸隠神社が創建された。

と、なっています。

戸隠神社は、

宝光社

火之御子社

中社

九頭龍社

奥社

の5つの社から成り、もっとも山の奥にあるのが、九頭龍社と奥社です。

 

麓から2キロの参道を歩いていきます。

途中、大きな杉並木が圧巻。

そして、最後の500メートルはものすごい急坂を息切らして登っていきます。

 

私たちが初めて訪れたのは、7年ほど前。

それから毎年、お参りをするようになりました。

ここの神社は、娘というよりも奥さんにかなり相性が良いようで、

ここにお参りをすると必ず奥さんに良いことが起こります。

 

必ずです。

 

その白蛇と出会った時も、そうでした。

2015年5月。

参道を3人でせっせと歩いて、奥社の手前にある九頭龍社の前を通って奥社に向かいます。

手を合わせて、すぐそばのベンチに座ってようやく一息ついたところでした。

奥さんの携帯が鳴ります。

「あれ?こんな場所でも電波通じるんだね」

そんなことを言いながら携帯を耳に当て、

「はい。もしもし。はい。え?本当ですか?ありがとうございます!」

「なに?」

「仕事が決まっちゃった」

その当時、奥さんは、7年ほど勤めた会社を辞めるかどうか悩んでいました。

パワハラが原因だったので、

心身ともに疲れ果て、

「このままでは頭がおかしくなっちゃう。パワーをもらいにいきたい。どうすればいいのか答えも聞きたいし」

そう言って、

会社をズル休みして向かった戸隠神社だったのです。

 

その間、密かに就職活動もしていました。

 

そこからの採用を伝える電話だったのです。

「やった!これで辞められる」

「受かる予感はあったんでしょう?」

「受かるとは思ってたけど、そこに転職すべきかどうか迷ってた。だから絶対に来たかったの」

九頭龍社にお礼を言って山を下ります。

登った時とは全く違う新たな気持ちになった奥さんの足取りは当然軽く、

新しい自分に生まれ変わって下界に降りていく。

そんな気分だったのでしょう。

わたしも娘も奥さんの苦しみを知っていたので、

とても晴れやかな気持ちで山を降りることができました。

急な崖のような坂を下り、杉巨木に囲まれた参道を抜けたあたりに差し掛かった時です。

「あ、蛇!」

奥さんが発見しました。

参道の片側には小さな清流があるのですが、私たちに並走するように蛇が結構なスピードで清流の上を進んでいたのです。

「白蛇だ」

実際には少し黄金がかっていました。

蛇は、そのままスルスルと水の流れに合わせて滑るように進んでいます。

 

写真を撮ろうと蛇より少し先を後ろ向きに歩いてスマホを構えていると、

参道の人たちも蛇に気づいてどんどん人が集まって来ました。

「うわー白蛇だ!縁起がいいねー。写真写真!!」

 

外国人観光客も気づいて、たくさんの人が白蛇と一緒に並走しました。

人の多さに嫌気がさしたのか、蛇は、さっと踵を変えて、森の中に入って行きました。

 

ちなみに、

九頭龍社は、奥社が鎮座される以前から戸隠山を治めていた地主神で、大蛇が山の主でありました。

さらに龍は、水の神を表しています。

 

奥社の前で採用の連絡を受けて、九頭龍社にお礼を言って山を下ると、清流の上を白い蛇が泳ぎ、私たちの歩みと並走しているなんて・・・・。

 

 

こんなロマンチックなこと、あります?!

 

「ああ、神様ぁ〜」

って、思っちゃうシチュエーションでしょう、これ。

 

ところで、神社と蛇といえば、もう一つ。

私たちがお参りに伺うと必ず蛇と出くわす神社があります。

明治神宮です。

今でこそ、パワースポットとして清正井(きよまさのいど)がとても有名で行列ができるほどですが、

ほんの十数年前までは、清正井の前はいつもガラガラでした。

 

5月〜6月。

神宮内御苑の花菖蒲がとても有名で、

わたしと奥さんは娘が生まれるずっと前から毎年、見物に行っておりました。

清正井はその水源となっている井戸です。

 

パワーを感じていたのか?

と、いうと、実は全然そんなことなくて、

綺麗な水が沸いているな〜。

と、感じる程度でした。

 

 

その道中。

 

必ず、蛇に出くわします。

あるときは、枝の先に絡みついてわたしたちの頭の真上にいたし、

あるときは、参道の横をスルスルっと進んでいたり、

目の前を横切ることもありました。

 

心が落ち着くし、

なんだかワクワクする。

花菖蒲の香りに癒されて、

身体に良いものをいただいたような、

そんな気持ちになれるので、

行かないよりは行って見たほうが良い場所であることは間違いありません。

 

 

 

神社と蛇。

“最高の組み合わせ”だと、わたしたちの遺伝子に組み込まれているから、

神社で蛇と出会えれば、

「やったー!縁起がいい」

と、思える。

 

でも、海外ではほとんどが不吉の前兆だったり、悪魔の使いという扱いだったり。

父の田舎では、

鳥の卵を食べる天敵なので、ずっと忌み嫌われる生き物だし。

わたしたちにしても、田舎の農道や、海の中で蛇と出会ったら、

「きゃー!」

と、叫びながら逃げてしまう。

同じ蛇なのに。

 

そう考えると、

縁起がいい。

運がいい。

どう思い、感じるかは、全て本人次第ってことなんですよね。

 

少なくとも、わたしは、

伊勢神宮、東京大神宮、秩父三峯神社、戸隠神社、

そして自宅の氏神様にお参りすることが習慣化するようになってからというもの、

自分の身に何かが起こった時、

必ずこう思うようにはなりました。

 

ありがたや〜

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。